2009年4月4日

IXY DIGITAL 210 ISレビュー

MacBook (Early 2008) が思ってた以上に高く売れたのと、価格があっという間に下がったので、キヤノンのコンパクトデジカメ「IXY DIGITAL 210 IS(シルバー)」を購入しました。

購入価格は23,800円(デジカメオンライン)で、2GBのSDカード(SanDisk Ultra II)と合わせても25,000円でお釣りが来ます。夏まで待てば20,000円を切るかも知れませんが、その程度の価格差なら、待つ事も無いかと判断しました。

上位機種の510 ISが2,000円程しか違わなかったので、そちらも考えたのですが、510 ISはボタンの数が減った分、操作が複雑になってしまったので、使い慣れた従来型UIの210 ISを選びました。

ボタンレイアウトの変更

前モデルの25 ISと比較すると、210 ISでは「イージーダイレクトボタン」が「再生ボタン」に変わったのと、十字ボタンの上の機能(撮影時)が、「ISO設定」から「露出補正」に変わっているのが、大きな違いです。

まず、「イージーダイレクト→再生」の変更ですが、これが210 IS購入の大きな決め手となりました。このクラスのモデルでは、「撮影/再生」の切り替えをスライド式のモードスイッチで行っていたのですが、それだと再生終了後にスイッチを「撮影」側に戻す必要があり、それを忘れると、いざ撮影しようと電源を入れても撮影モードにならない、ということが度々ありました。その不満も、この機能変更で解消されました。イージーダイレクトは使っていなかったので、不便も感じません。

次に、「ISO設定→露出補正」の変更は、ISO設定の変更よりも露出補正の方が、利用頻度は格段に多いので、これは非常に便利です。以前のモデルでは、カスタム設定でイージーダイレクトボタンに露出補正を割り当てることもできましたが、210 ISではイージーダイレクトが再生ボタンに変更されているので、それはできません。

一方ISO設定は、中央の「FUNC.」ボタンを押して表示されるメニューの2番目(プログラムモードの次)にあるので、割と少ない手数で設定することができます。

それからUIの改良点として、ストロボボタンを押して表示されるシンクロモード選択メニューに、「スローシンクロ」が追加されています。これまでは「詳細設定」や「ストロボ設定」から、その都度スローシンクロをオン/オフに設定する必要があったのが、簡単に設定できるようになりました。スローシンクロは、フラッシュ撮影でもその場の雰囲気を残すために、使うことが多いので、この改善は大きいです。

あと、210 ISに限らないのですが、IXY DIGITAL & PowerShotシリーズの気に入っている点として、AFロックとAEロックのしやすさがあります。シャッターボタンを半押しの状態で、十字ボタンの左でAFロック、上でAEロックを、それぞれ個別に行えます。また、それらのロックは、シャッターを切ってもリセットされずに維持され、ピントや露出を固定したまま連続して撮影でき、マニュアル的な使い方もできます。

以上のように、従来の機種と比べると、若干ボタンの機能が変更されていますが、それによって使い勝手は大きく改善されたように思います。510 ISはボタンにアイコンがプリントされていないので、それと比較しても210 ISの方が使いやすいです。

レンズ


35mm判換算で28mm以下の広角レンズが、コンパクトデジカメのトレンドの一つですが、個人的には35mm相当(210 ISは33mm相当ですが)のレンズの方が使いやすく思うのも、510 ISよりも210 ISを選んだポイントの一つです。

確かに広角レンズはあると便利なのですが、常用するにはちょっと広すぎるように感じます。ズームを使えば望遠よりにすることもできますが、パワー(電動)ズームはなかなか思うように操作できないので、ストレスが溜まります。

そして、レンズの性能で、ぼくが特に気にしているのは歪曲収差(ディストーション)です。ほとんどのコンパクトデジカメのズームレンズは、広角側で樽型の歪曲収差が生じます。メーカーによってはデジタル処理で収差を補正している機種もありますが、210 ISはそのような補正処理は行われていないようです。

しかし、210 ISのレンズは歪曲収差が割と少なく、デジタル補正をしなくても収差はそれほど気になりません。もちろん収差が無い訳ではなく、直線的なものは若干歪んで写りますが、エントリークラスのデジタル一眼に付属しているズームレンズよりは、ちょっとマシかもしれません。

デザイン


210 ISの最大の魅力は、コンパクトなボディとデザインでしょう。

IXYシリーズの象徴でもある、レンズ周りのサークル部分ですが、210 ISのそれは金属的な質感で高級感があります。

丸みを帯びたボディは、そのままポケットに入れてもゴツゴツしません。また、ボタンもフラットで出し入れの際に引っかかることもなく、誤操作も防げます。

ただ、本体の丸みに合わせて、十字ボタンの右側と「MENU」ボタンが湾曲していて、それらのボタンが少し押しにくいです。他のボタンも少し小さめなので、指の先よりも、指の側面で押した方が押しやすいかもしれません。特に押しにくいのが電源ボタンで、これが一番の不満です。

光学ファインダーも機能的にというよりも、デザイン的に存在感があります。やはり光学ファインダーがある方が、IXYらしいです。より小型化できるのなら省くのもアリだと思いますが、液晶を消せばバッテリーの節約にもなるので、できるだけ残してほしいです。

画質


特に不満無し。と言うか、このクラスのカメラに多くは望んでいません。欲を言えば、RAWで保存できると嬉しいのですが……。

総括


大体こんな感じですが、「使いやすくなった」というのが、IXY DIGITAL 210 ISを使ってみた印象です。

再生ボタンやシンクロメニューなど、今まで不満に感じていたところが改善され、ほとんど不満が無くなりました。

広角好きな方以外には、510 ISよりも210 ISをオススメしたいと思います。フルオートで撮影するなら510 ISでも構いませんが、色々と設定を変更して撮影したいなら、210 ISの方が使いやすいでしょう。これなら、デザイン優先で選んでも後悔することはない思います。

もし、ぼくが210 ISを買ったことを後悔するとすれば、単焦点レンズ搭載のLシリーズが復活したときくらいでしょう。

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