2015年5月11日

キヤノン「EF50mm F1.8 STM」発売、大人気レンズがリニューアル

キヤノンが、一眼レフカメラ用の交換レンズ「EF50mm F1.8 STM」を5月下旬に発売すると発表しました。

EF50mm F1.8 STMは、1990年に発売された「EF50mm F1.8 II」の後継モデルとなります。前モデルは、標準ズームレンズとは比べ物にならない明るさと、実売で1万円を切る手頃な価格が人気で、もしかすると世界で最も売れた交換レンズかもしれません。ちなみに、元祖「EF50mm F1.8」は、EOSシリーズの初号機「EOS 650」と同じ1987年に発売されました。

前モデルとの比較


前モデルとの最も大きな違いは、型番からも分かるとおり、モーターがDCモーターからSTM(ステッピングモーター)へ変更された点でしょう。従来のDCモーターは作動音が大きいのに対して、STMは屋外では作動音が聞こえないくらい静かです。それ以外にも、STMはAF作動時にフォーカスリングが回転しないことや、フルタイムマニュアル(ワンショットAF時)が可能になる点が、操作性の向上につながります。

そのほかには、絞り羽根が5枚から7枚に増えて、絞ったときに絞り羽根が目立ちにくくなったこと。最短撮影距離が45cmから35cmに短縮され、より近くにピントが合うようになったこと、が主な変更点でしょうか。

細かな変更点としては、マウントが樹脂製から金属製になり、重さが130gから160gへ30g重くなっています。一方、レンズの全長は41mmから39.3mmへと短く、フィルター径は52mmから49mmへと小さくなっています。また、フード(別売り)を装着するときに、アダプターリングが不要になりました。

光学手ブレ補正や距離指標が付いていないのは、前モデルのままです。あと、写真を見る限りだと、インナーフォーカスじゃなさそうです。

肝心の画質ですが、新旧レンズのMTF特性図を比較してみると、画質はほとんど変わらなさそうです。ただ、コーティングが改良されているようなので、逆光でのフレアなどは軽減されるかもしれません。

値上げ


最後に、ひょっとすると、これが一番大きな変更点かもしれませんが、価格が12,000円(税抜)から19,500円へ7,500円の値上げになります。四半世紀ぶりのリニューアルで今風なレンズに生まれ変わり、個人的にはこの価格でも十分安いとは思いますが、実売価格が1万円を超えると、「最初の一本」として手を出す人は減りそうです。これより安い価格を望むのは難しそうですし、レンズキットに含めてもいいんじゃないかと思います。




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