2013年7月14日

Nikon 1 J1レビュー

ニコンのミラーレス一眼デジタルカメラ「Nikon 1 J1」を購入しました。

購入したのは「標準ズームレンズキット」ではなく、「ボディ単体」と「標準ズームレンズ単体」のセットです。価格は、ニコンダイレクト楽天市場店で、4GBのSDカードと3年保証が付いて21,800円でした。

楽天市場のお買い物マラソンで安くなっていたということで、半ば衝動買い的なところもあるのですが、接写に強いズームレンズも、購入を決めた大きな要素です。

これは、ほとんどのコンデジに共通して言えることですが、PowerShot S100を使っていると、ズームを望遠にしたときに、あまり近づくことができないのが不満です。ブログやオークション用の写真なら、ズームを引いて撮影し、後でトリミングしても十分な画質を得られますが、できればノートリミングで画面いっぱいに写したい。

そこで気になったのが、Nikon 1の標準ズームレンズ「1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6」です。このレンズは、最短撮影距離がズーム全域において0.2mで、最大撮影倍率は約0.21倍(35mm判換算 約0.57倍)です。撮影倍率が35mm判換算で0.5倍以上って、もうマクロレンズの域じゃないでしょうか。

最短撮影距離が0.2m(20cm)ということは、Nikon 1マウントのフランジバック(撮像面からレンズマウントまでの距離)が約17mmで、テレ端にズームした時のレンズ長が大体64mmなので、ワーキングディスタンス(レンズ先端から被写体までの距離)は12cmほどです。

というわけで、どこまで寄れるか、Apple Wireless KeyboardをPowerShot S100、EOS Mと撮り比べてみました。

▲Nikon 1 J1 1 NIKKOR 10-30mm 30mm(81mm相当)

▲PowerShot S100 18.396mm(85mm相当)

▲EOS M EF-M18-55mm 55mm(88mm相当)

Nikon 1は、3つのキーが画面幅いっぱいまでアップに写せます。PowerShot S100は、5つのキーの両端が切れる程度。EOS Mは5つのキーの両側に余白があります。こう見比べると、圧倒的に違いますね。

また、Nikon 1は、ほかのミラーレスカメラよりもセンサーサイズが小型で、ボケにくい特徴があります。F値も焦点距離同様、2.7倍することで35mm判換算に相当します。2.7倍ということは、ほぼ3段分、35mm判よりも被写界深度が深いことになります。F8の場合、35mm判換算でF22程度に相当します。

ブツ撮りをするときは、なるべくピントは深く合わせたいので、ぼくの使用目的からすると、これは好都合です。

ほかのNikon 1シリーズとの比較


ここまでは、主にレンズに関して触れてきましたが、ここからはカメラ本体について触れていきたいと思います。まずは、J1とほかのNikon 1シリーズとの比較です。

J1の上位機種であるV1との違いは、内蔵EVF(電子ビューファインダー)や内蔵フラッシュの有無などがありますが、個人的に一番大きいと思う違いはシャッターです。V1は、フォーカルプレーンシャッターと電子シャッターを併用しているのに対し、J1は電子シャッターのみです。電子シャッターは、高速で動くものを写すとローリングシャッター現象が発生し、画像が歪んで写ることがあります。ただし、電子シャッターのメリットとして、シャッター音がほとんどしないことが挙げられます。電子音をオフにすると、レンズの絞り羽根などの微かな音以外は発生しません。

J1の後継モデルのJ2との違いはほとんど無くて、液晶モニターの高精細化、クリエイティブモードの搭載、ズームリングのロックに連動した電源オフ、くらいのマイナーバージョンアップです。

最新モデルのJ3は、センサーが1425万画素のローパスフィルターレスに変更されているのが、大きな違いです。

操作性


J1の操作性ですが、フルオートでの撮影を前提として設計されているのか、露出などを自分で決めて撮影するには、手間がかかります。

ミラーレスカメラでは、モードダイヤルが付いていない機種が多いですが、J1もその一つです。正確に言うと、「撮影モードダイヤル」は付いているのですが、これは「静止画撮影モード」や「動画撮影モード」などを切り替えるためのもので、「絞り優先オート」や「マニュアル」などの露出モードを切り替えることはできません。露出モードの設定をするには、メニューボタンを押して「撮影メニュー」の中から選択します。

同様に、ホワイトバランスやISO感度設定なども、撮影メニューから行う必要があります。Androidやガラケーなどにも共通してるのですが、アレをするにもコレをするにも、まずメニューボタンを押さないとならないUIは、まどろっこしくて苦手です。

ただし、連写の設定は、F(フィーチャー)ボタンからも行うことができます。高速連続撮影は、Nikon 1シリーズの売りの一つなので、メーカー側からすると、そこをフィーチャーしたいのでしょう。しかし個人的には、連写は全くと言っていいほど使わないので、Fボタンに別の機能を割り当てられると、便利になると思います。

それから、一眼レフを使う時は、AFの機能をシャッターボタン以外に割り当てて(AFスタートボタン、いわゆる親指AF)使っているのですが、J1にはその設定がありません。仕方ないので、セットアップメニューから、「AE/AF-Lボタンの機能」を「AF-L」に、「半押しAEロック」を「ON」に設定して使うようにしました。こうすることで、AF-Lボタンを押しながらシャッターボタンを半押ししても、AFは作動せず測光とAEロックのみが行われます。Fボタンに、AF機能を割り当てられると嬉しいのですが。

あと、珍しいなと思ったのが、撮影直後に表示される確認画像の表示時間を変更できないことです。ぼくはデジタルカメラを買うと、いつも真っ先に電子音を消して、確認画像も非表示にするので、これには面食らいました。

もうひとつ戸惑ったのが、露出補正は「OK」ボタン(もしくは露出補正ボタン)を押さないと決定されないということです。背面ダイヤルで補正値を変更し、シャッターボタンを半押しすると、露出補正の設定は変更されません。キヤノンのカメラでは、シャッターの半押しでも露出補正が決定されるので、それと比べると一手間多くなります。

J1はタッチパネル非対応とは言え、EOS Mにはない「拡大/縮小レバー」が付いていて、ボタンの数もEOS Mより2つも多いのに、それらを生かしきれていない。

画質


画質には不満はありません。ISO400くらいまでなら、APS-Cサイズとの差は小さいと思います。

感想


購入目的は、接写に強いレンズがメインで、カメラ本体は「写ればいい」程度にしか考えていなかったので、当初の目的は満たしています。しかし、操作性が今ひとつなので、目的以外にも積極的に使おうという気にはなりません。もし、モードダイヤルで露出モードが変更できて、FボタンにAF機能を割り当てられたら、もう少し評価は良くなっていたと思います。



Nikon 1 J1
評価: 3.0 - 投稿: Jun

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