2014年6月11日

RX100M3とRX100M2の比較

5月30日に発売された、ソニーのデジカメ「RX100M3」の主なスペックを、歴代のRX100シリーズと比較してみました。

RX100M3RX100M2RX100
重さ290g281g240g
焦点距離8.8-25.7mm10.4-37.1mm10.4-37.1mm
開放F値F1.8-2.8F1.8-4.9F1.8-4.9
最短撮影距離約5-30cm約5-55cm約5-55cm
センサー裏面照射型CMOS裏面照射型CMOSCMOS
ISO感度125-12800160-12800125-6400
撮影可能枚数約320枚約350枚約330枚
EVF
アクセサリシュー
Wi-Fi
チルトモニター上:約180度、下:約45度上:約84度、下:約45度

歴代のRX100シリーズの遍歴をざっくり振り返ると、RX100M2で、Wi-Fi、チルトモニター、アクセサリーシューが付き、センサーが裏面照射型CMOSに。RX100M3で、レンズが明るく、ワイド寄りになり、アクセサリーシューの代わりにEVFが付いた、という感じでしょうか。

ハード面の違い


RX100M3の、ハード面での一番の違いはレンズですね。焦点距離は8.8-25.7mmで、画角はワイド端で24mm相当、テレ端で70mm相当と、初代、M2と比べてワイド寄りになっています。焦点距離の変化以外にも、テレ端での最短ワーキングディスタンスが、従来の「55cm」から「30cm」へと短くなっています。

また、開放F値が、テレ端で従来の「F4.9」から「F2.8」へと明るくなっています。RX100M2のレンズは、70mm相当にズームした場合の開放F値が「F4」なので、同焦点距離で比較すると、1段明るいことになります。しかし、F2.8と言ってもセンサーサイズが小さいため、被写界深度は35mm判換算で約F8相当になるので、大きなボケは得られません。それよりも、明るくなったことでシャッター速度を稼ぐことができ、ISO感度も低くてすむので、結果的に画質の低下を抑えられるメリットの方が大きいでしょう。

そしてもうひとつ、シリーズ初搭載となるEVF(電子ビューファインダー)も、大きな特徴です。デジカメに限らず、スマホなどでも、晴天下では液晶モニターが見にくくなるので、そんな時には便利かもしれません。

ただ、個人的には、RX100M2はコンデジとしては重すぎるのが大きな不満だったので、EVFを付けるよりも、その分軽くしてもらいたかった、というのが本音です。あと、チルト液晶モニターも要らないと思っています。Wi-Fiに対応していれば、スマホを使ってリモート撮影できるので、コンデジの場合はそれで十分じゃないでしょうか。

コンデジである以上、やはり軽さは重要です。そういう意味では、初代RX100にWi-FiとM3のレンズを付けて、重さはそのまま(もしくは軽く)という感じの方が、完成度は高くなると思います。

ソフト面の違い


と、RX100M3の重さへの不満はこれくらいにして、続いてはソフト面での違いです。

RX100M3は、ソニー製デジカメ独自のアプリ「PlayMemories Camera Apps」に対応しました。専用アプリをRX100M3にインストールすることにより、いろんな機能を拡張することができるようになります。

たとえば、「ダイレクトアップロード」と「POBox」をインストールすることで、FlickrやFacebookに日本語のコメント付きで写真をアップロードすることも可能です。

ただ、RX100M3に対応していないアプリも一部あり、カメラの電源を切ると、撮影した写真を自動的にAndroidへ転送する「スマートフォンシンク」が使えないのが残念です。

今後のRX100シリーズへの期待


改めてRX100シリーズを振り返ると、アレもコレもと詰め込んで、代を重ねるごとに重く、価格も高くなっているのが残念です。

いまだに初代の販売が続いていることも考えると、M2、M3は、後継モデルではなく上位モデルという位置付けなのかもしれませんが、個人的には段々と使いにくくなっているという印象が強いです。やはり、重さが一番のネックで、M3は購入する気になりません。価格も考えると、ミラーレス一眼を選んだ方が、画質や操作性の面でも満足度は高そうです。もしくは、M3の半額以下で売られている初代RX100なら、高いコストパフォーマンスを得られるでしょう。

個人的には、チルトモニターもEVFもアクセサリーシューも要らないので、ハードのスペック的には初代で十分です。それでも、ステップズームに対応しているという点で、M2を購入したのですが、もし初代もファームウェアップデートでステップズームに対応すれば、間違いなく初代を選びます。その辺のアフターケアも、しっかり対応してもらいたいところです。



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